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M&Aで譲れないものは何ですか?

中小企業にふさわしいM&Aとは

 M&Aは事業承継の手法の一種です。誰かに事業を引き継ぎたいと考えたときに、真っ先に浮かんだ手法はM&Aだったでしょうか。
 きっと、多くの社長が真っ先に思い浮かべるのは「子供に引き継ぐこと」なのではないでしょうか。
 そして、子供が無理であれば、誰かほかの親族に、それでもだめなら従業員、そんな風に考える方が多いと思います。
 M&Aの手法が事業承継の手段として思い浮かぶのは「最終手段」である場合がほとんどでしょう。

 子供に承継させたい理由や、M&Aを最終手段にしたい理由は様々だと思います。どちらが優れていて、どちらが劣っているということもありません。社長が納得した方法であることが重要です。
 わが子に承継させたいと願った大切な思いが、M&Aでも実現されていればそれは良い事業承継です。そのために、じっくりと時間をかけ、対話を何度も重ね、社長の思いをつなぐことができるパートナーが中小企業のM&Aには必要です。

 M&Aで未来につなげていきたい思いを、ぜひ我々に共有させてください。それが、中小企業にふさわしいM&Aになると信じています。

M&Aで気を付けなければならないこと

■M&Aにより生じる税金
 M&Aは日本語にすると合併と買収です。つまりこれは単なる呼び名であって、手段・方法のことではありません。
 合併・買収を実際に実現する手法としては、代表的なのは株式の譲渡・事業譲渡という方法です。

 株式の譲渡は、株式を買収先へ売ることによりM&Aを実現するものです。
 株主が個人であれば個人に株式の譲渡所得が課税されることになり、株主が法人であればその法人に法人税が課されることになります。

 事業譲渡であれば法人の事業の一部を買収企業に売却します。事業に必要な各種資産負債を個別に選んで譲渡する形式です。
 譲渡により益が出れば、法人には法人税が課されます。

 どの手法を選ぶべきかは、もちろん税金面だけで決めるものではないですが、税金の面も考慮に入れる必要があることを知っておいてください。

■退職金をもらうときに考えること

 M&Aが成立したら、いずれ現社長は経営から退くことになります。その時支払われる退職金がM&A交渉の中で話し合われます。

 「退職金を具体的にいくらにするか」という交渉ももちろん重要ですが、「株式の譲渡対価と退職金の割合をどうするか」という交渉も重要です。というのも、株式譲渡の所得税計算方法と退職金の所得税計算方法は全く異なっているからです。
 たとえば、税率で言うと株の譲渡は15%と単一税率ですが、退職金は5%から45%まで所得金額により幅があるものとなっています。また、退職金にしかない退職所得控除といった優遇措置もありますので、税率だけで比べることもできません。

 当然、これらの割合の調整は合理的は範囲でなければなりませんので、節税のためだけに割合を操作することは認められませんが、税金の違いことは頭に入れて交渉に臨む必要があります。